経営理念について
社会福祉法人理事長の有野です。
法人周辺の桜も散り、令和4年度を迎えています。
2年ぶりに事例検討会・事業計画発表会を対面で開催し、
コロナ感染予防を行いながら、新しい仲間と新年度を迎えることができました。
経営理念 「常に、人と地域の最幸を創造する」について書きます。
元々蒼溪会の前身は、有野製作所です。先代の理事長であり現顧問である、
私の父がこの有野地区でコピー機の下請け会社をしていました。
法人が設立して今年27年目を迎えますが、それよりもさらに20年ほど前の話になります。
当時山梨県立北病院では、「院外作業」という名前で、
寝食は病院でするが日中は地域の会社で仕事をしたり、活動をしてもらうという治療方法がありました。
当時北病院には、今村満子さんというソーシャルワーカーがいて、
熱心に地域の会社をまわり、精神障害者が働ける場所を開拓していました。
いわゆる「職場開拓」です。そこでたまたま顧問と出逢い、今村さんが切に精神障害者を働かせて欲しいと相談されました。
今村さんが時々、家で夕食食べていたこともありました。
みなさんであれば、どうしますか?
今でも精神障害者に対する誤解は多いです。それがさらに40年~50年前の話になります。
当時受入れることについては、
「一緒に働くパートの方が辞めると言い出したらどうしようか・・・」
「『親会社が仕事を渡さない』と言ってきたらどうしようか」などいろんな葛藤があったそうです。
それでも「困っている人のために」「地域での困りごとを解決するために」という父の想いがあって、
有野製作所で精神障害者の方を雇ったのが出発になります。
それからまだまだこのような人たちがたくさんいると聞いて、製作所の中に作業部屋を確保し、
何人かの精神障害者に内職の仕事を提供したり、住む場所が無いと聞けば自分のお金を投じてアパートを作ったりしました。
そんな活動の積み重ねから、地域の方々の協力と理解を得て、
また北病院の協力もあって1995年に社会福祉法人蒼溪会は、この地に誕生しました。
私が考える「人と地域の最幸」とは、こうした父の想いや周りの人の想いを受け継いでいます。
これからも困っている人や地域の困りごとの相談にのり、
悩み、どんな形であれば幸せになれるか考え創造していきたいと思います。
ぜひ、一緒に働く仲間と利用してくれているメンバーと、
そして地域の人たちの協力をもらいながら、最幸の創造を追求していきましょう。